あれこれメモ

地方在住の色んなオタクの雑多なメモ。

スリルミー 2018/12/16ソワレ 松下・柿澤ペア 感想

※大いに内容に関するネタバレを含みます、観劇前の方は見ないことをお勧めします。

 また、これは今回(2018年版)で初めてスリルミーを観劇したスリルミー初心者による感想です。深い考察やレポなどをお求めの方はご期待に添いかねますのでご注意ください。

 

ようやく!長いこと待ち望んでいたスリルミーを観劇してきました!

何回も観たくなる(というか観ざるを得なくなるが正解)というのがめっっっちゃくちゃよくわかりました。

今まで面倒くさがり屋なこともあって感想をまとめることがなかったのですが、何年たってもこの初鑑賞の気持ちを忘れたくない!と思ったのでメモがてら感想を記しておきたいと思います。

 以下ネタバレあるので観劇まだの方はご注意ください。

 

 

 

私がスリルミーに出会ったきっかけは2016年春に放送されたミュージカル「ラディアントベイビー」のweb宣伝番組を見たことです。

元々そのミュージカルのメインキャストの一人である平間さんのファンで番組を見ていたところ、同じくメインキャストである柿澤・松下ペアの過去共演映像を見る流れに。

 それがスリルミーでした。

こんな面白そうな舞台ある!?ってめちゃくちゃ衝撃を受けたことは覚えてるんだけどあれは一体どの公演の映像だったんだ!?今はもうアーカイブを見れないので確かめられる術がない!

 

そんなわけで、今回初めて全編通して観たのですが、そのことがきっかけで以前から元となった事件も合わせてちょくちょく情報を漁ってたので少しだけ内容は知っていました。

あらすじ以外に事前に持ち合わせていた知識としては

・歌数曲(どのシーンでどの歌を歌うのかは知らない)

・眼鏡を現場に落としたことで警察にバレる

と、公式から上がっている過去の映像、前述の番組内で放映された映像程度です。

そして、それを踏まえた観劇前の松柿ペアの印象がこちら。

 

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観劇後の松柿ペアの印象がこちら。

 

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松下私怖すぎない!?!?!?(怖い)

最初は柿澤彼の私に対する扱いやスリルに対する執着を見て恐ろしさを感じていたはずなのに、終盤に行くにつれて松下私に背筋の凍るような恐怖を覚え思わず柿澤彼に同情するという、謎の感情どんでん返しが起こっていました。こんな感情ジェットコースターみたいな100分って他にある!?

眼鏡はわざと落としたのかな~その展開だったらめちゃくちゃ好みだな~と勝手に想像していたのですが、それどころではなかったしその裏にこんなに重い想いと策略が隠されていたとは思いませんでした。この私は故意に眼鏡を落としている…と思わされた(※個人の意見です)

 

そんなわけで、ざっくりした感想です!

 

序盤

・54歳の松下私観た時松下くんこんなに老けてたっけ?ってびっくりしたんだけど、過去の時間軸になった途端若々しい青年になってさらに驚いた(すでに騙されている)。

・私は彼ばかり観ているのに彼は私をまったく見ないのが悲しい。
 
 
契約書
・松下私が歌で柿澤彼と会話しつつ、タイプライターは全然ちがうリズムで叩いてたのですごいと思った。歌のリズムと別個で叩くってめちゃくちゃ難しいと思うのに…流石初演からのペア。 下手したら弾き語りよりも難しそう
・柿澤彼も紙のセットだったり扱いがスムーズでおおー!って思いました。細かい部分だけど、今は使用されていない道具の扱いが手馴れている感じがその時代に生きているということを感じさせてくれるので大事だよな~としみじみ
 
盗難のあと
・荷物バーン!!って落ちてきたのほんっっっとにびっくりした !!荷物落ちてくるとか聞いてませんよ!?!?(当たり前)
・柿澤彼の荷物の引っ張り出し方が芸術的だしタメも最高だった。ライター発掘した時の顔が面白そうなおもちゃ見つけて純粋にワクワクしてる子供みたいだった。
 
事後
・53歳私からの19歳私の切り替えが凄すぎて呆然としてしまった(これ事後でよかったかな!?あれからウン分後のことでしたうんぬんかんぬんのところだったと思う) 視覚的には確かに同じ人なのに本当に同じ人だと脳が理解してない感じの別人具合
・サスペンダーエッチすぎない!?服を着直すとき松下私がサスペンダーを両手でくっとあげてるのに育ちの良さが滲み出てた。所作がいいとこの子
  
ロードスター
・ほかの部分でも思ったけど光の使い方が本当に上手!あのライトの使い方でスポーツカーの表現してることに感動して、思わず頭の中で賢い!!って合いの手を入れてしまった(頭が悪い表現)
・柿澤彼鍵の扱いも最高。手つきがすごすぎて本当に子供がいるかのようにみえた。目が離せないけど子供が誘われているところを目の当たりにしているようで気持ちとしては見てられなかった。(ほめてます)
 
超人たち前後
・54歳私が言ってた「その時の彼は本当に嬉しそうだった」がめちゃくちゃ気になった。 柿澤彼はスリルを得た喜びに満ち溢れているというよりは成し遂げて放心しているようにみえたので…動物園で好きな動物を口を開けて見つめている子供に似てたかもしれない。
わかりやすく表にでないだけであれが彼の最上級の喜びなのかもしれないし、私だけがその最上級を判断できたのかもしれない。
・松下私の犯罪を犯してしまったことに対する後悔、今思うとどこまでが本心だったんだろう… この時点でもう物語のラストへの道筋がほぼ確定していることを考えるととても怖くなってしまう
彼への愛とは別に私には殺人への後悔が本当にあったのだろうか、それとも彼に取っての殺人がスリルを手に入れる為の手段だったのと同様に、私にとっても殺人をは彼を手に入れる為の過程に過ぎなかったのか…
 
脅迫状
・脅迫状読もうとして初めて「眼鏡どこやったんだろ」って言うの、ラストを知ってしまうとめちゃくちゃ怖っ!!!!って思う。この時点で私はもう 一枚上手に行っているんだ…
 
眼鏡~あの夜のこと
・供述を教え込ませる掛け合い 本当に凄かった! 私の焦りに対して投げやりな彼の論理
・彼は自身を超人だと思っているので絶対にバレないと思っているのかもしれないけど余りにもばれた時の私のことを除外してて辛くなった。柿澤彼に果たして愛はあったのだろうか…と思ったけれど、愛に飢えている彼には愛し方がわからなかっただけなのかもしれない。犯罪の共犯者として選択している時点で特別な感情はあったはず(と思いたい)
 
取り調べのあと
・この辺りから松下私が純粋な愛だけで動いているのではなくヤバそうなヤツということを察する
・松下私が証拠品とってたの、もし彼の使ったものだから捨てられなかったのもあったらどうしよう…(あまりにも怖いのでそうじゃなくあってほしい)ところでこれ時間軸ここでよかったっけ!?もういっぱいいっぱいすぎて記憶がバラバラです!
・どこか忘れたけど松下私が柿澤彼のキスを腕掴んで横に逸らして止めるところめっちゃ良かった。この辺かな!?っておもったけど思い出せないのでとりあえずここに入れ込んどきます。(そのうち修正するかも)
 
アフレイド
・いや寝たふりして彼の慟哭聞くの怖すぎるやろ
・まるで小川のせせらぎに耳を澄ますかのように穏やかに彼の慟哭を聞く私にいよいよ震えが止まりませんでした。
 
護送車~99年
・真実を知った柿澤彼の親に置いて行かれた子供のような顔が忘れられない。そしてそんな彼を見てもあくまでも冷静な松下私。
・最早彼の時間を手に入れるという松下私の考えは目標ではなくライフワークなのではと思わされた。「彼が好き」だから「彼と一緒に一生を過ごす」というめちゃくちゃ論理。
 
ラスト
 ・仮釈放が決まったのにそこまで嬉しいという感じでもなく、この人には本当に彼だけだったのだな…というのがひしひしと伝わってきた。
・私はなんのために仮釈放を望んだのだろう。彼のいない刑務所に用がないのは当然だけど刑務所にいようが出所しようが同じように生きていきそう。彼のいない世界であることに変わりはないので…
 
全体を通して
スリルに囚われ愛に飢えた彼、彼に囚われた私という構図が完成されているというなという印象を受けました。 私は犯罪に手を染めることを世間の常識として拒むけれど、私に取って世間<彼なので結局は彼の命令を受け入れてしまう…という感じで。
松下私は良心と彼への思いの間で苦悩するというのはなくて彼が全てという芯がしっかりしていたのでどこか冷静で迷いがないように見えました。彼に関すること以外は本当にまともなのに、その愛だけが異常。そこがより松下私に恐怖を覚えたポイントだったのかも
一方で柿澤彼は一見狂っていそうだし私への態度も身勝手だなと感じる部分があるけれども、実は私よりもまともな人間だったのではないかと感じました。親からの愛を得られず、孤独感に苛まれていたときにニーチェに出会ってしまった、スリルに取りつかれなければもっとまともに生きていけたのではないか…そう思えてなりません!(でも私がいる限り無理かもしれない)
すれ違いにすれ違いを重ねた結果めちゃくちゃ急な坂道転がってってない!?ってぐらいバッドエンドに転がり落ちていってしまった二人というのが今回の総括です。
 
後から考えると弟を殺すのは止められたけど殺人自体は止められなかった、代わりのターゲットが決まった時点で誘拐するあたりで私は未来を見据え始めたのかなって思った
というかそうであって欲しい 序盤からだったらただえさえ震えたのに松下私が怖すぎて耐えきれない

 

今回運良く日曜の公演にも関わらず席に恵まれ、前方のセンター付近で観劇できました!

表情も動きも両方直に見ることができる状況が初めてだったので(普段は大体表情見ようとしてオペラグラスを覗いて動きを見損ねるor逆)これなら何か見逃して嘆くこともないはず!って思っていたのに、結局は二人とも追いたいのにどちらかしか見れないという事態が多発。演者の数だけ目が欲しい

そうは言っても、二人をのぞき見しているかのような感覚、音の迫力、たばこのにおいまでもが感じ取れてしまうのはこのサイズの劇場ならではだなと強く感じました。

この劇場で初めてこの演目を見ることができた良かった!!

 

ずっとCD買いたくて我慢していたのですが、ほぼ真っ新な状態で彼と私に踊らされる100分間が最高すぎて過去の自分に大感謝しました!我慢してよかった!(終わって速攻でまつこにペアのCD買いました!)

残りの観劇は大阪で一公演だけの予定だったのですが、思わず追加公演も追いチケットしました。こうなると成福ペアも見たかった!もう少し暇な時期だったら…!と歯をぎりぎりいわせてますがこれもまた運命。残りを楽しみに年末年始を乗り切っていきたいと思います!